LIFE-HEART MESSAGE
『省察』の美学
Life-Heart Message 2008.01.07.


 人がなんかの目的に向かって出発するとき、その拠りどころとなるものは、自分自身の
内部にしか見出せない。自分はなに者であるのか、と自らに問うことから、人生のすべては
始まる。

文豪ゲーテは言った。『人間は内面から生きなければならない。芸術家は内面から制作に
向かわなければならない。
人間も芸術家も、たとえどのように振舞おうと、自分の個性を打ち出してゆく他はない。
そういう気持ちで元気いっぱい仕事にかかるならば、まちがいなく彼は自分の生命の価値を、
自然から与えられた高邁さ、また優雅さを、あるいはまた高邁な優雅さを表出することに
なります。・・・・・ともかく、最も重要なことを簡単に申しましょう。

若い詩人は、生きて働きつづけているものだけを、たとえそれがどんな形においてであれ、
表現するように努めなさい。
反対のための反対、悪意、悪口、ただ否定することしかできないものを、ことごとく厳しく
斥けなければなりません。
ただの否定からは、何も生れてこないのですから。
若い友人たちにいくらすすめても足りないと思うのは、自己省察を学ぶことです。
詩語をあやつることがいくらか容易になっても、それに伴って、内容にますます重さを
加えるべきことを忘れてはならないからです。

詩の内容は、自分の生命の内容に他ならないのです。・・・・・必ず自分に尋ねてみたまえ、
それが体験を含んでいるか。
その体験によって自分が進歩したか、と。・・・・・前進する生命を楽しみにし、折あるごとに
自分を吟味することを忘れぬようにしたまえ。
その当座には、自分が生きて働いているかどうかがわかりますし、あとで考えてみた場合には、
自分が生きて働いていたかどうかがはっきりしてきます。』
このゲーテの文学論の一文は、年頭にあたって、自己自身に厳しく問われているようである。

人間とは、生きている者であり、生きているとは、意欲を持っていることであり、自分の意欲を
大切に育てて、人々のため、社会のために、何をなすかである。
人間の一生において、一番望ましいことは、それは一つの目標を立てて、それを生涯を通して
つらぬき求める一生であろう。

 ゲーテは言う。『人生は注意だ!・・・有用なものから真を通して美へ』と。・・・
また『偉大なもの、美しいものを進んであがめること・・・非常にすぐれたものに接することによって、
日々刻々養い育てて行くのは、あらゆる感情の中でこの上なく幸福なものである。』
『最高の幸福の瞬間にも、極度な逆境の瞬間にも、われわれは芸術家を必要とする』
『自身のより高い完成に向け、苦難の風雲を乗り越え、力強い自己を築いていく美しい人間に!!』

このゲーテの言葉を身読していく年にしたいものです。皆様各位の大いなるご活躍を
心より祈って・・・・・


未来創庵 一色 宏